昨日購入の本(続き)

宇宙には意志がある 桜井邦朋
宇宙の意志に人間は存在するか 桜井邦朋
人類は80年で滅亡する 西澤潤一
人類が消えた世界 アラン・ワイズマン

■宇宙には意志がある 桜井邦朋
■宇宙の意志に人間は存在するか 桜井邦朋

 タイトルだけ見ると、なにか、トンデモな人の本のように思えるかもしれないが、著者は、宇宙科学の分野での最高の科学者である。太陽ニュートリノに関する研究など、天文学の分野で著者を知らない人は居ない。
 ただ、桜井氏は、以前から、宇宙の中における人間という存在について、深く考察をめぐらし、そうした分野での著書も数多い。この本もそうした本の中の一つである。
 日本の宇宙科学研究者は、こうした哲学的な分野などに触れることをタブー視してきた傾向が強い。そうした中での氏の活動は注目されるべき点である。海外では、カール・セーガンをはじめとして、宇宙科学研究者が人類の将来について述べることは、一流の科学者でも当たり前のこととなっている。ぜひ日本でも見習ってほしい、桜井氏はその先駆者であろう。氏の柔和な性格も、こうした研究と無関係ではないであろう。筆者も昔一度、氏に講演会を依頼したことがあるが、その人柄の良さはよく伝わってきた。

■人類は80年で滅亡する 西澤潤一
 この本は、ちょっとキワ物っぽさを感じさせるタイトルから受けるイメージとは違い、科学技術者による詳細な研究書である。
 このままでは、80年で滅亡する、という、ショッキングなタイトルから、それを回避するための新しい技術開発の模索について、極めて科学的な考察をしている、実は素晴らしい本のようである。(失礼)
 まず、タイトルの「80年で滅亡する」理由は、化石燃料の使用によるCO2の増加によるものと考えている。ただし、一般的に考えられている、CO2による地球温暖化、というだけの論ではない。実は、CO2濃度があまりに上昇すると(3%程度になると)人間は呼吸困難となり、死亡してしまうのである。このような現象のほうを先に考察したうえで、温暖化について触れている。
 そして、それを回避するための様々なエネルギー技術に関しての研究が書かれている。これも、単に自然エネルギーの利用促進、といっただけのものではない。現状で考え得るあらゆる新技術の開発の可能性について、科学技術的な将来展望を示している。
 人類が80年で滅亡しないために必要な方向性をきちんと示している、という点で、単なる、滅亡説とは全く違ったものである。

 (おそらく、オカルティックな滅亡予言の好きな人、あるいはCO2温暖化問題を過大考えて騒ぎ立てる環境問題の活動家が、タイトルだけ見て喜んで買ったら、その内容が、明るい未来を描く技術に関するものであることがわかって、失望するであろう。(笑 もっとも、その前に、単なるオカルト好き、という人には本書に書かれている科学技術的な内容が理解できないのではないかと思われる。)
 

■人類が消えた世界 アラン・ワイズマン

 核戦争での人類絶滅とかではなく、ある日突然、人類だけが忽然と姿を消したら、その後の世界はどうなるであろうか、ということを考察した話題の作品。テレビ番組として制作されて話題となった。
 人類が築き上げた文明とはいかに弱いものか。わずか数日で、人類の制御を失った街は変化を始め、その姿の移り変わりは想像をはるかに超えるものであることを示している。
 今日であればだれもが心配する原子力発電所は、しばらく自動運転を続けてもやがて人間がいなくなれば、炉心溶融を含めた深刻な事態を引き起こし、核爆発こそ起こらないものの、数万、数億年にわたって放射性物質を放出し続けることになるだろうと書かれている。生物の絶滅こそ招かないものの近くに寄った生物がどうなるかはわからない。
 この本では、人類消滅後数日の話から、数年、数百年、数万年、数億年後までの予測が書かれている。
 人類がいなくなっても、しばらくすれば、自然はほとんど何事もなかったかのようになっているだろうが、それでも、人間が作り出した負の遺産は残ることになるだろう。
 この本では、人類の後に、新しい知的生命が生まれるかどうかについては、触れていないと思われる。もし、新しい知的生命が生まれたとしたら、彼らは、人類の負の遺産を果たしてどのように扱うだろうか、興味深いところであるが、それは、この本の範疇ではないようだから、私が考えることにするか。(笑
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書評:人類10万年、宇宙には意志があるか、人類は80年で滅亡する他 

本日購入の本

 これから、本を購入したときには、そのリストと、ざっと掲げることにする。
 じっくり読んでから書評を書くとなると、かなり時間がかかるし、私のパターンとして、買ったけれど、ちょっと見ただけで終わってしまう本が多いから、とりあえずリストを作り、じっくり読んだものについてはもう一度書評を掲げることにする。

人類の足跡10万年全史
 人類がアフリカで生まれ、世界に広まった、という研究については知っている人も多いと思うが、この本では、DNA解析の結果からわかった、極めて詳しい資料が掲載されている。実際のDNAの変化を年代、場所で表した樹形図や、それが、そのほかの考古学的な、あるいは、地球科学的な気候変動などの研究成果と照らし合わせて、妥当性の高いものであることが示されている。
 正直これだけ詳細なデータが掲載されているとは驚き。
 ここまで詳細な研究がされ、関連研究に裏付けられているとなると、反論できないだろう。
 奇妙な人類の起源を唱える人たち(創造説はもちろん、宇宙人が作ったとか、何万年も前から古代王朝があるとかいうような説)も、これを見たら、否定できないだろう。
 この本を読むと、実は、人類が、他の「親戚」にあたるホモ・なんとやら、のいくつもの種族の中から、幸運にも生き残った種族であることがわかるし、それ以上に、今のような生活が始まったのは、そんなに大昔ではなく、高々数万年前のことである、ということがわかる。
 ちょっと前まで、人類の祖先は、200万年ほど前、とか言っていたけれど、原始的にではあれ、今のような人類の登場は、高々、10万年から20万年前にすぎず、アフリカから他に広まったのは、7、8万年前。アメリカ大陸に至っては、1万数千年前に過ぎないことがわかる。
 中国4000年の歴史、ということは、それなりに確からしく、文字を使い始めたのもその頃、ということになると、人類の歴史というのは、本当に浅いということになる
 歴史教科書に載っている時代は、せいぜい3000年ほどまえであるから、実は、人類が、今の文化的な状況に向かって進み始めたのは、何万年もたっていない、ということになる。
 人類がまだまだ、進化の途上に過ぎないことがわかる本である。

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